夏は、よく夏バテで食欲がなくなりがち。でもそれ、ただの夏バテじゃないかもしれません。
特定の季節に、食欲がなくなったり気分が落ち込んだりするのは、季節性情動障害の可能性があります。俗に「夏季うつ病」「冬季うつ病」と呼ばれ、通常のうつとは違って特定の季節にだけ症状が出るのが特徴です。
ここでは、夏バテと区別のつきづらい夏季うつ病の原因と対策をご紹介します。
夏季うつ病の症状は?
そもそも一般的なうつ病というのは、何らかの原因がきっかけで発症します。仕事上のストレス、人間関係のもつれ、引っ越しや転職による環境の変化など。
しかし夏季うつ病は、そのような原因がありません。夏季うつ病の発症原因は「夏という季節そのもの」。これが一般的なうつ病との大きな違いです。
時期的には、だいたい5月頃から発症し9月を過ぎたあたりで回復する傾向が多いようです。
主な症状は、食欲不振・疲れやすい・不眠などで、夏バテの症状とよく似ていますが、夏季うつ病の場合それらに加えて、精神的な不安感や気持ちの落ち込みを感じるようになります。
また、夏季うつ病には男女比にかなり差があり、女性の方が男性に比べて3倍多いと言われています。女性は男性よりも、太陽の光、温度・湿度といった外的ストレスに敏感。この外的ストレスによって女性ホルモンの変動が起こるため、女性の方が発症率が高いんです。
夏季うつ病は予防が大事
では、どうしたら夏季うつ病を防げるのでしょうか。特に注意しておきたいポイントを3つご紹介します。
◆冷房の設定温度を下げすぎない
暑い環境で長時間過ごすのは夏季うつ病を引き起こしやすい要因になるため冷房の使用をお勧めしますが、その際に設定温度を下げすぎないようにしましょう。
目安は外気との温度差が5度を超えないようにすること。5度を超えてしまうと自律神経が乱れうつ病になりやすくなってしまいます。
◆栄養が偏らない食生活を心がける
夏は暑くて食欲がないと、ざる蕎麦や素麺など冷たいものを摂りがちですが、偏った食生活は栄養バランスが崩れ、うつ病につながってしまいます。特にタンパク質が減ると、平常心を保つ役目のあるセロトニンも減少するので、バランス良い食生活を心がけてください。
◆我慢しすぎない
「真面目で、ずっと我慢をしつづけてしまう人」というのは一般的にうつにかかりやすいと言われています。最低限の我慢は生きていく上で必要な事かもしれませんが、過剰に我慢しつづけると、ストレスで自律神経を乱してしまうことに。
なので、我慢はほどほどに。
ストレスを感じたらずっとため込まずに、自分なりの発散方法で大いに発散しましょう。
体と心の不調を見逃さず夏を満喫しよう
外に出る機会が増え、楽しいイベントも多い夏。
「みんなが楽しんでいる時に、私は全然楽しめない・・・」とならないよう、しっかりと夏季うつ対策をしていくのが重要です。
夏季うつは夏が過ぎれば治るからと放っておくと、深刻な精神疾患になってしまう可能性もあるので、症状が出たら病院で診察を受けることをオススメします。
自分の体と心からのサインを逃すことなく、快適に夏を満喫していきましょう。